2022/08/29 土研/自律施工技術の共同研究開始、地域建設会社や異業種含む10グループと

【建設工業新聞  8月 29日 1面記事掲載】

土木研究所(土研、藤田光一理事長)は建設機械の自律施工技術の開発・普及促進に向け、建機メーカーごとに異なる制御信号ルールを統一化した自律施工技術基盤「OPERA」を活用した民間事業者との共同研究を始める。建設会社や建機メーカー、ICT・ロボット関連会社などによる10グループが参画予定。今月以降、各グループと協定を順次締結しユースケース(利活用場面)の検討や現場実装に向けた技術開発に乗り出す。

土研は統一化した制御信号ルールを自律施工に関する研究開発の「協調領域」として提案。ルールが統一されていれば同一現場で複数メーカーの建機を組み合わせた作業が可能。各社の競争領域を明確化し効率的な技術開発にもつながる。異業種などの参入障壁を低くするのも狙い。共通信号をベースにパッケージ化した実験環境をOPERAと称して一般公開し、オープンイノベーションを促進する。

6、7月に募集した共同研究者10グループは単独応募者が含まれ、業種別に▽建設会社=5者▽建機メーカー=2者▽異業種企業(ICT・ロボット関連など)=6者▽大学=1者-の14者で構成。建設会社や建機メーカーが異業種と組んだグループもある。

実験環境として茨城県つくば市の土研内にある「建設DX実験フィールド」を活用。建機やシミュレーター、一部のアプリケーションも提供する。参画する建設会社のうち2者は地場企業、異業種のうち2者はスタートアップ企業となる。

共同研究の実施期間は2024年度末まで。各グループで技術開発の進展状況に濃淡があるため協定締結後、個別に工程を固める。最終的にOPERAを活用し自動・自律施工や高度な遠隔操縦支援のためのシステムを開発。検証結果を整理し、現場試行に向けた課題や実装事例を公開する。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る