2022/10/06 近畿整備局/大型ドローンで資材運搬、安全確保と時間短縮図る

【建設工業新聞  10月 6日 12面記事掲載】

近畿地方整備局大戸川ダム工事事務所は、山間部の工事現場に効率的に資材を運搬しようと、大型ドローンの運用を始めた。インフラ分野のDXとして同局が初めて土木工事で取り組むもの。作業員の安全確保と作業時間の短縮につなげる。5日、大津市内の現場を報道関係者に公開した。

同事務所では、大戸川ダム建設に伴う県道の付け替えを実施しており、急な地形では軽量盛り土材を施工している。一つの大きさは2メートル×1メートル×0・5メートル。重さは最大40キロ。この区間では約2500個を施工する予定で、階段上に積み上げていく。

これまではクレーンの届く範囲に盛り土の発泡スチロールを下ろし、2人1組で運搬していた。ただ、盛り土材を運ぶには相当の時間を要すると想定され、送電線の運搬など電力関係工事で使われている大型ドローンを活用した資材の運搬を追加し、9月13日から試行、10月から本格的に運用を始めた。

ドローンはプロペラを含む全長が約2・7メートル、高さは約0・9メートル。プロペラの直径は1メートル近くあり、機体の重さは27・5キロ。最大50キロの荷物をつり上げることができる。

資材をつり下げたドローンは、わずか1分程度で目的地の付け替え工事の現場に飛行した。施工はアクト(大津市)が担当。

大戸川ダム工事事務所の佐藤昭史工務課長は「転石対策に加え、災害の発生もあり、非常に時間のかかる現場になっている。作業員の安全を少しでも確保するため、ドローンの活用を決めた。ダム本体の工事用道路など土木工事にドローンを活用していきたい」と話し、引き続きDXを活用しながら工事を進めていく方針だ。

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