2022/10/26 岸田文雄首相/強靱化基本計画23年夏改定を指示、デジタル技術活用や官民連携強化

【建設工業新聞  10月 26日 1面記事掲載】

岸田文雄首相は25日、2023年12月で期限を迎える「国土強靱化基本計画」について、来夏をめどに改定するよう関係閣僚に指示した。緊急に取り組む必要がある防災・減災、国土強靱化対策は、月内にまとめる総合経済対策に盛り込むよう求めた。引き続き国民の生命と財産を守る防災インフラの整備と管理に注力。デジタル技術の活用や官民の連携強化により、強靱な国土づくりを加速する考えだ。

同日に首相官邸で開かれた国土強靱化推進本部(本部長・岸田首相)で、改定の目標時期を示した。岸田首相は「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に取り組みを進めていくことが重要」との認識を提示。検討が進む次期国土形成計画と足並みをそろえ、関係閣僚が連携し基本計画を改定するよう注文を付けた。

政府が月内にも策定する予定の新たな総合経済対策では、5か年加速化対策に基づく施策として、あらゆる関係者が協働する「流域治水」など人命や財産の被害を防止したり最小化したりする取り組みの推進を盛り込む予定。災害に強い交通ネットワークの構築や、予防保全型の老朽化対策なども記載する見通しだ。

国土強靱化推進本部の会合では、強靱化政策を取り巻く情勢変化や今後の展開方向などを確認。▽防災インフラの整備・管理▽交通・通信・エネルギーの強靱化▽デジタルなど新技術活用▽官民連携強化▽地域防災力の強化-で政策を推進していく。

今年の台風14号の際に強靱化対策が発揮した効果や関係省の取り組みなども情報共有した。国土交通省は水害リスク情報の見える化などデジタル技術を活用した防災対策を紹介した。

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