2022/11/16 CCUS登録100万人突破、処遇改善に社会の理解を/斉藤鉄夫国交相

【建設工業新聞  11月 16日 1面記事掲載】

建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者数が100万人を突破した。15日の閣議後会見で斉藤鉄夫国土交通相が明らかにした。斉藤国交相はさらなる普及と活用に向け「技能者の処遇改善につなげていくことが重要」と話し、「建設業界に入って技能、経験を積んでいくことで給料が上がっていく。このことをCCUSで社会の皆さんにも認めていただきたい」と訴えた。

CCUS運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)によると、10月末時点の登録技能者数は102万4269人。登録事業者数は一人親方を除いて13万4476社。カードタッチなどによる10月の就業履歴数は過去最高の380万1819件だった。

全技能者の3人に1人が利用する水準に達している。斉藤国交相は処遇改善に向けた具体策として「技能、経験に応じてレベル別に賃金目安を示し、職種ごとにレベルに合わせて賃金が上昇するよう促していきたい」と展望。「利用者の増加に伴って現場管理の電子化や効率化に向けた取り組みも重要」とも指摘し、政府が先月決定した総合経済対策の一環でカードリーダーの設置負担の軽減や工事関係書類へのデータ反映の拡充につながるシステム改修に取り組むことに触れた。

CCUSが「業界共通の制度インフラ」となることで、重層下請構造の弊害是正など長年抱える業界課題の解決も期待できると強調。国交省が8月設置した「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」を通じ、「システムの発展的な活用の可能性をしっかり検討していく」と述べた。

自身がゼネコンに勤務していた数十年前は「現場で働く人たちはそれなりに処遇されていた」と振り返りながら、「大変厳しい状況にある中、職人さんたちが誇りを持って働く現場をつくりたい。そういう意味でCCUSは何としても成功させたい」と力を込めた。

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