2022/11/25 総合評価の賃上げ表明率6割、工種・受注実績でばらつきも/国交省調べ
【建設工業新聞 11月 25日 1面記事掲載】
国土交通省は賃上げを行う企業を総合評価方式で加点する措置の運用状況をまとめた。運用開始から8月末までの5か月間で国交省直轄工事2503件(内閣府沖縄総合事務局含む、農業・港湾空港関係を除く)が対象となり、競争参加者の63%が賃上げを表明。賃上げ表明者が落札した割合は70%だった。一般土木など公共需要の大きい工種や、直轄工事の受注機会が多い企業ほど表明率が高い傾向にある。国交省は建設業界の声を聞きながら適切な制度の運用や改善につなげていく方針だ。
建設会社への聞き取り調査も踏まえて運用状況を分析した。競争参加者の賃上げ表明率は4月末時点の50%から徐々に上昇している。社内検討・調整に時間を要したが今後表明を予定している企業もあるという。
国交省直轄工事を過去3年で年平均1件以上受注している企業の75%が賃上げを表明。受注実績が年平均1件未満の企業の表明率は低迷しており、都道府県発注工事を中心に受注している場合、表明不要と判断する企業もいた。
工種別の表明率を見ると、一般土木(76%)やアスファルト舗装(85%)など公共需要が大きい工種は高水準で、建築(50%)や電気設備(41%)など民間需要が大きい工種は半数に満たない場合も多かった=表参照。公共土木主体であっても維持修繕(61%、維持修繕だけ受注している企業に限ると42%)は低水準で、1者応札の割合が大きいなど競争性に乏しい工種は表明率が低くなると分析している。
地方整備局発注の一般土木工事に限って等級別に表明率を見ると、A等級は100%、B等級は87%、C等級は75%、D等級は44%だった。競争参加者数の94%を占めるボリュームゾーンのC等級のうち、直轄工事を過去3年で年平均1件以上受注している企業の表明率は81%で、受注件数が年平均1件未満の企業の57%とは隔たりがあった。
この制度を巡っては、建設業界からの要望・意見として▽経営実態に応じた柔軟な実績確認手法の導入▽物価高騰を考慮した減点措置の緩和▽賃上げ実施後を評価する方法への転換-などが寄せられている。都道府県や市区町村の公共工事への対象拡大を憂慮する声も上がっている。こうした課題を踏まえ国交省は表明率のさらなる向上や幅広い企業の賃上げ促進に取り組む方向性を示す。
建設会社への聞き取り調査も踏まえて運用状況を分析した。競争参加者の賃上げ表明率は4月末時点の50%から徐々に上昇している。社内検討・調整に時間を要したが今後表明を予定している企業もあるという。
国交省直轄工事を過去3年で年平均1件以上受注している企業の75%が賃上げを表明。受注実績が年平均1件未満の企業の表明率は低迷しており、都道府県発注工事を中心に受注している場合、表明不要と判断する企業もいた。
工種別の表明率を見ると、一般土木(76%)やアスファルト舗装(85%)など公共需要が大きい工種は高水準で、建築(50%)や電気設備(41%)など民間需要が大きい工種は半数に満たない場合も多かった=表参照。公共土木主体であっても維持修繕(61%、維持修繕だけ受注している企業に限ると42%)は低水準で、1者応札の割合が大きいなど競争性に乏しい工種は表明率が低くなると分析している。
地方整備局発注の一般土木工事に限って等級別に表明率を見ると、A等級は100%、B等級は87%、C等級は75%、D等級は44%だった。競争参加者数の94%を占めるボリュームゾーンのC等級のうち、直轄工事を過去3年で年平均1件以上受注している企業の表明率は81%で、受注件数が年平均1件未満の企業の57%とは隔たりがあった。
この制度を巡っては、建設業界からの要望・意見として▽経営実態に応じた柔軟な実績確認手法の導入▽物価高騰を考慮した減点措置の緩和▽賃上げ実施後を評価する方法への転換-などが寄せられている。都道府県や市区町村の公共工事への対象拡大を憂慮する声も上がっている。こうした課題を踏まえ国交省は表明率のさらなる向上や幅広い企業の賃上げ促進に取り組む方向性を示す。
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