2022/12/16 国交省/総合評価方式試行見直しにPDCA導入、「新規参入型」本運用へ

【建設工業新聞  12月 16日 1面記事掲載】

国土交通省は各地方整備局で試行している総合評価方式のさまざまな評価形式の標準化や改善、廃止などを検討するPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを導入する。担い手確保や工事品質向上などの試行目的に応じた高い効果を確認できれば、整備局単位から全国展開に試行範囲を広げ、さらには継続的な本運用に移行する流れ。先行的に効果検証に当たった試行8類型のうち、直轄工事の受注実績がない企業を評価する「新規参入促進型」を新たに本運用に位置付ける方針も示した。

直轄工事の総合評価方式の運用ガイドラインにPDCAを位置付ける。有識者会議「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」傘下の「建設生産・管理システム部会」が15日に開いた会合で説明し、ほぼ了承を得た。

PDCAに基づく検証は試行ごとに5年周期を目安に行う。検証主体は各整備局の総合評価委員会や本省の同部会を想定。整備局単位の試行で有効性が確認され、より広く展開したり政策的に全国で実施したりする必要があれば全国的な試行に格上げする。有効性が認められない場合の統合・廃止や格下げ、制度改善なども判断する。全国で実績を重ね、有効性が定着した試行は本運用に移行する。

国交省は一定程度の実績がある試行8類型の有効性を昨年度までに検証していることから、その結果をPDCAに当てはめて今後の位置付けを検討。このうち直轄実績がない企業の新規参入を促す目的が共通している「チャレンジ型」と「自治体実績評価型」の採用実績や有効性を評価し、両者を統合した「新規参入促進型」として本運用に格上げすることを提案した。

このほか、▽地元企業活用審査型▽特定専門工事審査型-の2類型は全国的な試行としての位置付けを据え置く。各整備局でそれぞれ試行してきた▽地域防災担い手確保型等▽企業能力評価型等▽登録基幹技能者評価型等▽若手女性技術者活用型等-の4類型は新たに全国的な試行に位置付ける予定だ。

同省は総合評価ガイドラインを年度内に改正したい考え。PDCAの考え方に加え、前回改正以降に導入した評価項目や評価プロセスの改善方策も盛り込む。

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