2022/12/21 CCUS小規模現場で利用加速へ/ANDPADと連携、GPS活用し履歴蓄積

【建設工業新聞  12月 21日 1面記事掲載】

住宅工事などの小規模現場をターゲットとした建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用環境が整ってきた。CCUS登録技能者の就業履歴を蓄積するカードリーダーの設置が難しい現場状況に対応したサービスを拡充。CCUSとAPI連携するシステムとして新たに「ANDPAD」を追加し、スマートフォンのGPS(衛星利用測位システム)機能の活用で現場の入退場を管理できるシステムが利用可能となった。

ANDPADはスマホなどで現場の写真や図面、資料といったデータを一元管理し、工事関係者で共有できるクラウド型の建設プロジェクト管理サービス。アンドパッド(東京都千代田区、稲田武夫代表取締役)が運営しており、住宅工事などを手掛ける建設会社で利用が広がっている。

GPSを活用した入退場管理システムでは技能者のスマホ画面に、そこから約1キロ圏内にある現場を一覧表示。技能者は一覧表示された中から入場する現場を選択し、ボタンをクリックするだけで現場の入場日時・退場日時を登録することができる。

CCUSとAPI連携している別システムで、カードリーダーなどの機器設置が必要ない就業履歴の蓄積手法としてコムテックス(富山県高岡市、後藤敏郎社長)が提供する「キャリアリンク」がある。携帯電話の発信やスマホの顔認証で現場の入退場を管理できる。

無料の就業履歴登録アプリケーション「建レコ」には2023年夏ごろに「ロギング機能」を追加。カードリーダーの機種ごとに順次、対応可能となる予定だ。同機能ではカードリーダー本体に就業履歴データを一時的に保管し、後でまとめてCCUSに送信できる。

インターネットに接続できない現場を考慮し、建レコをインストールしたパソコンがあれば就業履歴を登録できる「オフラインログイン機能」は以前からあった。ロギング機能ではパソコンも不要で、小型のカードリーダーをポケットなどに入れて現場に持ち込めば対応可能となる。

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