2023/01/24 通常国会が開会/岸田首相「災害対応は先送りできない重要課題」、安定的に国土強靱化

【建設工業新聞  1月 24日 2面記事掲載】

第211回通常国会が23日に開会した。政府は60本の法案(予算関連19本、非予算関連41本)を提出する。同日には公共事業関係費に6兆0600億円を配分した2023年度予算案を提出。岸田文雄首相は衆参両院本会議での施政方針演説で、関東大震災から100年の節目を迎えることに触れながら「激甚化、頻発化する災害への対応も先送りのできない重要な課題」との認識を強調した。

通常国会の会期は6月21日までの150日。政府法案のうち国土交通省関係は5本で、予算関連として「道路整備特別措置法などの改正案」と「地域公共交通活性化再生法(地活化法)改正案」をいずれも2月上旬に提出する予定だ。

岸田首相は施政方針演説で、両法案に関連し「地方経済の基盤である高速道路網の老朽化対策と4車線化などの進化・改良の取り組みを着実に実施する」とともに「地方公共交通の『リデザイン』に向け国の支援を拡充する」と発言。地方創生の推進策の一つと位置付けた。

国土強靱化に関しては5か年加速化対策の着実な推進に加え、「中長期的、継続的、安定的に防災・減災、国土強靱化を進めるため、新たな国土強靱化基本計画を策定する」と述べた。

首相肝いりの「新しい資本主義」の実現に向け、構造的な賃上げを改めて訴えた。足元で「物価上昇を超える賃上げが必要」と強調。中小企業対策として生産性向上や下請取引の適正化、価格転嫁の促進、フリーランスの取引適正化を一層強化すると表明した。

従来の年功賃金ではなく、個々のスキルに応じ適正に評価される日本型の職務給の導入方法を類型化し6月までにモデルも示す。

厳しさを増す外交・安全保障環境を踏まえ、多国間・2国間外交を強化するツールとして開発協力を挙げ、今後10年の方向性を示す開発協力大綱を「SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた議論をリードするようなものとするべく今年前半をめどに改定する」とも話した。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る