2023/03/02 国交省/直轄土木工事で猛暑日考慮し工期設定、月単位の週休2日実現へ

【建設工業新聞  3月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は直轄土木工事で月単位の週休2日を実現するための施策パッケージをまとめた。2023年度からは工期設定で猛暑日を新たに考慮するなど「雨休率」の算出方法を見直し、現場事情に応じ重機の組み立て・解体や検査データの作成日数を考慮するよう明確化。現行の経費補正を23年度も据え置きつつ、月単位の週休2日に対応する新たな補正措置を検討する。発注者として週休2日の実施状況を確認する姿勢も打ち出し、24年度以降に月単位の週休2日を実現する目標を掲げた。

24年4月に適用する時間外労働の罰則付き上限規制で、月ごとの労働時間も対象になることを踏まえた対応。従来の週休2日対象工事は通期での達成を求めていたが、達成率が100%近くまで高まってきたことから月単位の達成による「休日の質の向上」への転換を目指す。

工期設定は休日取得や作業不能日を見込む形で適正化し、発注者が活用する工期設定指針と工期設定支援システムに反映する。雨休率の算出に当たって休日と降雨・降雪日が重複するケースを排除するよう明確化し、新たに猛暑日を加味する。暑さ指数(WBGT値)が「31以上」の時間を日数換算した数値の過去5年平均を用いる。

国交省は現行指針で工期365日だった福岡県内の道路改良工事を例に取り、新たな雨休率の反映で工期が384日に伸びると試算した。さらに現場ごとに必要となる重機対応や検査データ作成に関する日数、イベント時の通行規制日なども適切に考慮できるよう指針を改定する。

共通仕様書や監督・検査の基準類には、発注者が週休2日を確認するよう位置付ける。受注者が作成する施工計画書には法定休日・所定休日を新たに記載してもらう。週休2日が標準との考えから工事成績評定での加点は取りやめ、今後は順守項目として扱う。工期途中で部分的に現場閉所から交代制に切り替えられる試行を一部工事で実施するなど、24年度以降の制度反映を視野に柔軟な休日の設定や経費補正の修正を検討する。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る