2023/03/15 建退共本部/電子申請での掛け金納付拡大へ、今後5年で30%以上目指す

【建設工業新聞  3月 15日 1面記事掲載】

勤労者退職金共済機構の建設業退職金共済事業本部(建退共本部、岸川仁和本部長)は、建退共制度で電子申請による掛け金納付方式の利用を拡大する。2023年度にスタートする5カ年の中期計画に初めて数値目標を設定。建設キャリアアップシステム(CCUS)とのデータ連携や先進的なモデル地区の設定などを展開し、電子申請サイトの利用者登録(ログイン)率50%以上、電子申請による掛け金納付率30%以上の達成を目指す。=2面に関連記事

電子申請の掛け金納付方式が本格始動して2年になる。従来の証紙貼り付け方式に比べ退職金の積み立てや給付の徹底、事務作業の合理化などに効果がある。建退共本部によると、1月末時点で建退共制度の共済契約者数は17万4843事業所。電子申請申し込み率は8・3%で、電子申請専用サイトのログイン率は4・9%、電子申請による掛け金納付率は掛け金収入額ベースで3・4%にとどまる。

23年度にスタートする第5期中期計画で電子申請の利用拡大に関する数値目標を初めて設定。電子申請サイトのログイン率を4・9%から50%以上、電子申請の掛け金納付率を3・4%から30%以上に引き上げる。掛け金納付率に関しては23年度で6%以上を目指す目標も掲げる。

これらの目標達成に向け、▽CCUSとのデータ連携強化▽共済手帳の申し込みなどオンライン申請の拡充▽電子申請普及のためのモデル地区設置▽ニーズに応じた説明会の開催▽事務手続きの簡素化-の五つに力を注ぐ。CCUSとのデータ連携では、引き続きCCUSの就業履歴データを活用し電子申請による建退共掛け金納付手続きを効率化。建退共の就労実績報告作成ツールに登録された情報を使いCCUS側のカードタッチ漏れを補完する。

電子申請のモデル地区も新たに都道府県単位で設置。専用相談窓口を設けるなど集中的な利用拡大に努め好事例を水平展開する。事務手続きの簡素化では建設業許可番号を基に、全共済契約者の住所や名称の変更といった情報を自動更新する新たなデータ連携にも着手。建設業許可番号の調査票発送に併せて全共済契約者に電子申請専用サイトの利用者IDも付与する。

民間工事を主力とする建退共未加入事業者への加入促進も強める。国土交通省の調査によると、CCUSの技能者登録を条件に掛け金を負担する元請のゼネコンが増えている。

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