2023/05/17 建設資材価格指数2カ月連続下落、高止まり傾向は変わらず/経済調査会

【建設工業新聞  5月 17日 1面記事掲載】

建設資材の価格動向を数値化している経済調査会(森北佳昭理事長)の「建設資材価格指数」が、全国の建築・土木総合で2カ月連続の下落となった。2015年度の全国平均値を「100」とした場合、直近の4月10日時点の調査に基づく指数は前月に比べ0・6ポイント下回る「147・8」となった。建築用木材や型枠用合板の全国的な続落が要因。ただセメントの騰勢が続くなど、資材価格の高止まり傾向は変わらない。

指数を建築・土木別に見ると、建築指数は木材市況下落の影響を受け1・1ポイント下回る「154・0」だった。土木指数は全国的にセメントの騰勢が続いている影響に伴い0・3ポイント上回る「137・8」。32カ月連続で上昇したことになり、2年半を超える異例の長期上昇が続いている。

最新の5月調査(10日時点、『積算資料』6月号)でまとめた東京地区の主要資材15品目単価動向を見ると、先行き気配「強含み」がセメントの1品目。「横ばい」が▽異形棒鋼▽H形鋼▽生コンクリート▽再生クラッシャラン▽軽油▽ガソリン▽再生加熱アスファルト混合物▽ビル用アルミサッシ▽板ガラス(フロート板ガラス)▽CVケーブル▽硬質ポリ塩化ビニル管-の11品目で、「弱含み」が海外相場下落の影響もある鉄スクラップとコンクリート型枠用合板、杉正角材の3品目となった。

15品目のうちセメント、生コン、ビル用アルミサッシ、板ガラス、CVケーブル、硬質ポリ塩化ビニル管の6品目の単価が過去最高値で推移している。

経済調査会によると、セメントメーカーの値上げ姿勢が依然として強い。東京地区では値上げの一部が浸透し、1トン当たりのセメント単価(普通ポルトランド〈バラ〉)は前月に比べ1000円高い1万3800円と過去最高値を更新した。こうしたセメントの騰勢を受け、各地区の生コン組合が値上げを打ち出している生コン市況の動向も注視する必要があるとみている。

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