2023/05/26 専門工事会社で上限規制の理解不十分、順守困難も2割超/建専連調査

【建設工業新聞  5月 26日 1面記事掲載】

建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)が傘下の会員企業に実施した調査で、適用まで1年を切った時間外労働の罰則付き上限規制への理解や対策が不十分な実態が分かった。規制内容を4割以上の企業が理解できておらず、内容を知っていても2割以上は「順守は困難」と回答。業務内容や工程の見直しなど自社で対応する動きがある一方、工期の適正化や平準化に元請の理解を求める声も多い。=2面に関連記事

建専連傘下の専門工事34団体の所属企業とその下請企業から2022年10月24日~12月16日に調査票827件を回収し分析した。18年度から週休2日の実態などを継続的に調査してきたが、近く対応を迫られる時間外規制への対応状況を新たに聞いた。

時間外規制の認知度や理解度は「内容まで知っている」が58・0%、「聞いたことはあるが内容は分からない」が31・7%、そもそも「知らない」が10・3%だった。請負階層が2次以下、社員数が10人未満、主要な許可業種が「塗装」か「内装仕上げ」に該当する企業は、それぞれ半数以上が規制内容まで理解できていなかった。

規制内容を知っている企業に順守可否を聞いたところ「十分可能」が27・9%、「かなりの努力が必要だが可能だと思う」が44・6%、「順守は困難」が22・1%、「どちらとも言えない」が5・4%だった。こうした回答の比重は企業規模別や許可業種別でもほぼ共通していた。

時間外削減の取り組みは「業務の内容・分担・工程の見直し」が46・6%で最も多く、職員の意識改革や経営トップによる定時退社の呼び掛け、取引先への協力依頼といった回答が続く。自由回答では適正な工期確保とともに、労働日数の減少分を賄うための単価引き上げの必要性なども多く指摘された。

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