2023/07/25 日建連会員22年度調査/非管理職59%が時間外上限超過、規制順守へ強い危機感

【建設工業新聞  7月 25日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は2022年度「会員企業労働時間調査報告書」をまとめた。24年4月から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制(原則規定年360時間以内~特例同720時間以内)を超えた社員の割合を調査。上限規制の適用対象になる非管理職は原則規定で6割弱、特例でも2割が上限を超えていた。前年度から改善したものの、依然として上限超過者が多い現状に強い危機感を募らせる。会員企業には時間外労働削減のさらなる対策強化を呼び掛けた。=2面に関連記事

調査は会員140社に依頼し、80・7%の113社が回答した。管理監督者と非管理職を合わせた調査対象の社員数は14万1408人。内訳は非管理職8万9201人、管理監督者5万2207人。

非管理職の回答を集計した。法定時間外労働が「月45時間以内、年360時間以内」という、上限規制の原則規定を順守できたかどうか答えたのは81社の7万5363人。上限規制を超過した割合は前年度から改善し1・6ポイント下回る59・1%だった。担当業務別内訳は、土木65・6%(前年度比5・8ポイント低下)、建築73・9%(2・7ポイント低下)、建築設計67・3%(0・6ポイント低下)、事務31・0%(1・3ポイント上昇)、設備や営業など「その他」51・4%(7・7ポイント上昇)。

法定時間外労働が「年720時間以内で休日労働も合わせた合計が月100時間未満など」という、上限規制の特例を順守できたか答えたのは72社の7万1222人。上限規制を超えていたのは5・9ポイント下回る22・7%。担当業務別内訳は、土木25・6%(9・6ポイント低下)、建築34・4%(6・1ポイント低下)、建築設計21・4%(9・1ポイント低下)、事務6・3%(2・1ポイント低下)、その他13・5%(2・2ポイント上昇)だった。

業務別では前年度と同様、週休2日を推進している公共中心の土木に比べ、工期の制約が厳しい民間中心の建築で上限超過者が多い傾向も浮き彫りとなった。

報告書は21日に労働委員長名で会員企業に通知。24年度に上限超過者をゼロにすることが必須課題と再認識し、時間外労働削減の取り組みをさらに強化するよう要請した。

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