2023/09/01 国交省/インフラメンテに「群マネ」導入促進へ2検討会設置、モデル地域で検証

【建設工業新聞  9月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は新たなインフラメンテナンス政策として、小規模な市町村を念頭に「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の導入を後押しする。複数の市町村にまたがる一定エリア内のインフラストック全般を「群」と捉え一体的にマネジメントすることで、インフラメンテナンスに充てる市町村の予算や職員の減少を補完する。新たに群マネを導入し先進的な事業に取り組むモデル地域を選び、計画策定に向けた技術的な支援を行う。各地域の取り組みは有識者と共有し、全国への水平展開に向けた課題を探る。

国交省によると、国内にあるインフラストックの大部分を市町村が管理しているものの、人口減少や少子高齢化などの影響で職員や予算も不足している。そのため維持管理体制の構築が課題になっている。そこで2022年12月、インフラメンテナンス政策の在り方を議論してきた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)と交通政策審議会(交政審、同)の技術分科会技術部会が斉藤鉄夫国交相に群マネの導入を提言した。

国交省は各地域に群マネを普及するための検討体制として、新たに「地域インフラ群再生戦略マネジメント計画策定手法検討会」(座長・家田仁政策研究大学院大学特別教授)と「地域インフラ群再生戦略マネジメント実施手法検討会」(座長・小澤一雅東京大学大学院工学系研究科特任教授)を立ち上げた。

8月31日に東京都内で両会議の初会合を共同開催した。吉岡幹夫国交省技監は「先駆的なインフラマネジメントを実装し、全国展開していくことが重要だ。計画の作り方や進め方について、多角的に議論していきたい」とあいさつした。

群マネ計画策定手法検討会はモデル地域の群マネ計画策定を支援する。最終的には、計画に盛り込むべき内容や検討のポイントをまとめ、市町村の指針となる手引を作成するのが目的。群マネ実施手法検討会はインフラの一体的な民間委託を検討するモデル地域に発注方式や市場調査などを助言する。その上で包括的民間委託導入の手引改定を目指す。

モデル地域は9月に公募し3~5地域程度を選定する。選定した地域には国交省からコンサルタントを派遣し、インフラ情報の整理や事業スキームの検討などを支援する。支援期間は1、2年を想定している。

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