2023/12/04 国交省/「群マネ」先行実践へ、モデル地域に11件・40自治体選定

【建設工業新聞  12月 04日 1面記事掲載】

国土交通省は「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の考え方に基づき、先駆的なインフラメンテナンスに取り組むモデル地域を11件(計40地方自治体)選定した。複数の市区町村などが協力しインフラ管理に当たる「広域連携」と、これまで縦割りで管理されてきた施設をまとめて管理する「他分野連携」の2通りで、各地域の群マネ計画策定や業務実施を後方支援する。斉藤鉄夫国交相が1日の閣議後会見で発表し「国交省として最大限サポートし、モデル地域の知見を今後の全国展開につなげたい」と意欲を語った。

9月からの公募に応じた▽北海道幕別町▽秋田県大館市▽滋賀県草津市▽大阪府貝塚市▽兵庫県養父市▽奈良県宇陀市▽和歌山県▽島根県益田市▽広島県▽広島県三原市▽山口県下関市-の11自治体を代表とする提案をすべて選定した。

有識者で構成する群マネの「計画策定手法検討会」と「実施手法検討会」から助言をもらいつつ、各地域の計画策定方針や業務実施方針の検討過程で情報提供などの支援に当たる。1~2年程度の支援期間を経て成果をまとめ、手引や事例集を作成する方針だ。

群マネが求められる背景にはインフラ老朽化の急速な進展がある。小規模な市町村を中心に人員や財源の不足も深刻化している。

斉藤国交相はモデル地域の一つの広島県安芸太田町、北広島町を例に挙げ「ともに技術系職員はゼロ。ただ広い地域でインフラはたくさんある」と指摘。県が主導して群管理に取り組むことを紹介した。秋田県大館市も技術系職員の高齢化や地域事業者の担い手不足にあえいでおり、道路や河川の巡回などの管理業務をまとめて発注することによる効率化に期待した。

斉藤国交相は「多くの自治体が抱える共通の課題に新たな手法を用いて挑もうとする前向きな取り組み」として群マネを積極的に推進する考え。「(モデル地域での実践を通じ)さまざまな気付き、知恵、方策などを出してもらい、全国の自治体と共有したい」と展望する。

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