2024/01/30 国交省/「標準労務費」標準規格の調査開始、業務委託先を公募

【建設工業新聞 1月 30日 1面記事掲載】

国土交通省は、建設業での適切な労務費や賃金の行き渡りを担保する基準となる「標準労務費」の勧告に向けた調査内容を固めた。標準労務費は原則として公共工事設計労務単価に直轄工事で使用する歩掛かりを乗じ、単位施工量当たりで明示することを想定。歩掛かりには工種ごとに多くの規格(仕様・条件)があるため、その中で頻出する1種~数種の標準的な規格を抽出する。調査・分析業務を受託する民間事業者を選定する公募型プロポーザル手続きを26日に開始した。

国交省によると建設工事には1000種類以上の工種があり、その工種には多くの規格が存在する。今回の調査では、それらを▽労務費割合が判明している工種(施工パッケージなど)▽労務費割合が分からない工種(市場単価など)▽歩掛かりが存在しない工種(国直轄工事で発注しない住宅など)-の3パターンに分け、それぞれ標準的な工種や規格・仕様の検討に当たる。

労務費割合が判明している工種は、過去の直轄工事の工事費内訳から規格ごとの使用頻度や相関関係を調査・分析する。調査対象工事は約3万件を想定。市場単価の適用工種や直轄工事で発注しない工種は、業界団体などに働き掛け工事データを入手するなどして必要なデータを収集する。

関連する動きとして政府は26日開会の通常国会に建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)の一括改正案を提出する方向。法改正後にも中央建設業審議会(中建審)の下に標準労務費の勧告に向け幅広く関係者の合意を得るためのワーキンググループ(WG)を設置する。調査・分析結果を検討材料にWGで複数規格の標準的な規格へのまとめ方、歩掛かりの存在しない工種の標準労務費の算出方法などを検討する見通しだ。

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