2024/07/05 国交省/猛暑日考慮の工期設定を自治体に要請、都道府県・政令市で直轄と同等運用6割

【建設工業新聞 7月 5日 1面記事掲載】

国土交通省は中央建設業審議会(中建審)が3月に改定した「工期に関する基準」で猛暑日による不稼働が考慮すべき事項に追記されたことを踏まえ、猛暑日を加味した工期設定に先行して取り組む直轄工事にならった対応を地方自治体に要請する。都道府県・政令市のうち直轄工事と同等の方法で工期設定を行っているのは約6割の40団体。独自の方法で考慮するケースも一部あるが、24団体は考慮していない状況にあり早急な改善が求められる。

直轄工事では2023年度から工期設定に用いる「雨休率」の算出で猛暑日を新たに考慮。暑さ指数(WBGT値)が「31以上」の時間を日数換算した数値の過去5年平均を作業不能日とみなしている。

国交省が24年度の当初時点で行ったアンケートによると、天候などによる作業不能日に猛暑日を考慮しているのは都道府県29団体、政令市14団体。加えて特記仕様書に明示しているのは都道府県17団体、政令市4団体だった。21~23年度に猛暑日を理由とした工期延長の実績があるのは福島県と東京都、横浜、浜松両市の4団体だった。

直轄工事とは異なる方法で猛暑日を考慮しているのは3団体。群馬県は過年度の実績工期や週休2日を考慮した標準工期の算定式を導入し、23年度からは工期中の猛暑日発生を踏まえた工期延長を認めている。佐賀県は全工事で余裕期間制度のフレックス方式を採用し、受注者による猛暑日を避けた施工体制が可能と回答。仙台市は工事の特性に応じ、不稼働日として適切に見込んでいるとした。

直轄工事では当初見込んだ以上の猛暑日の発生で作業を休止した場合、工期変更を実施し、延長日数に応じた増加費用を精算する運用としている。各自治体でも工期設定の適正化に加え、猛暑日が年々増加する状況を踏まえた適切な工期変更対応も求められる。

アンケートで猛暑日を考慮していなかったのは▽青森▽宮城▽山形▽栃木▽長野▽岐阜▽静岡▽大阪▽鳥取▽徳島▽愛媛▽高知▽福岡▽長崎▽熊本▽大分▽宮崎▽沖縄-の18府県、▽札幌▽川崎▽静岡▽浜松▽堺▽福岡-の6政令市。

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