2024/10/02 国交省/遠隔施工ロードマップを示す、通常工事の適用拡大へ

【建設工業新聞 10月 2日 2面記事掲載】

国土交通省は、4月公表のi-Construction2・0を踏まえた遠隔施工の当面のロードマップを示した。災害復旧で先行的に活用されてきた遠隔施工技術の通常工事への導入を拡大する。適用工事に関するルールや基準類の整備に取り掛かるとともに、適用を推奨する現場を明確化するための指針を2026年度以降に作成する。遠隔施工に適応したオペレーターの育成にも注力する。

災害現場に限らずオペレーターの安全確保や働き方の柔軟性向上、労働環境の改善が求められる観点から遠隔施工の適用範囲を拡大する方針だ。まずは砂防工事に適用し、それ以外の工事にも広げていく流れを想定する。推奨すべき適用範囲などを検証するための試行工事・モデル工事も随時実施する。

通常工事への適用に向け、直轄工事の先行的な導入事例の調査などを踏まえ、発注・監督・検査などの基準類を整備する。24年度は▽地獄谷第4砂防堰堤工事(発注・中部地方整備局)▽塩殿遊水地整備その4工事(北陸整備局)▽大河津分水路山地部掘削その23他工事(同)-の3現場で遠隔施工を実施している。

遠隔施工を導入した場合の作業効率向上も課題となることから、オペレーターの育成に力を入れる。各整備局の技術事務所が保有する遠隔操作対応建設機械を活用し、オペレーター向けの講習会を開く。

例えば関東整備局では日本建設機械施工協会、建設無人化施工協会の会員企業らを講師として「無人化施工講習」を6月開いた。遠隔施工の対応に関する講義に加え、5G通信と特定省電力無線を用いた遠隔操縦式バックホウの操作実習や、簡易遠隔操縦装置の取り付け実習も行った。

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