2024/08/26 改正業法・入契法の運用の方向性・3/価格転嫁、協議の門前払いは禁止
【建設工業新聞 08月 26日 1面記事掲載】
民間工事で主流の総価一式請負契約では物価変動などのリスクを受注者が一方的に負担するため、急激な資材価格の高騰などで労務費へのしわ寄せにつながりやすい。そこで改正建設業法では受発注者間で価格転嫁の協議を円滑化する新たなルールを設けた。注文者に事前通知した資材高騰などの「恐れ(リスク)情報」に基づき受注者が契約変更の協議を申し出た場合、注文者が協議を門前払いする行為は明確に禁止と位置付け行政指導の対象とする。
契約上の新たな義務として資材などの価格変動に伴う請負代金などの「変更方法」を契約書の法定記載事項と明確化したことがポイントの一つだ。以前から請負代金などの変更について契約書に記載するよう求めていたが、「契約変更をしない」といった内容の契約も許容されると解釈できる余地があった。国土交通省の調査によると、実際に民間工事で契約変更条項を設けていないケースは依然として6割近くに達する。
変更方法の契約書への明記を義務化すれば「変更額を協議して定める」といった記載が必須となり、契約変更を認めない内容の契約が許容されなくなる。仮に受注者が恐れ情報の事前通知をしていなくても、契約上の変更方法に基づき協議を行うことが可能になる。
恐れ情報を取っ掛かりとする契約前後の新たなルールは法律上の要請と位置付ける。受注者による恐れ情報の事前通知を義務化し、それに基づく契約変更の協議の申し出に注文者が誠実に応じる努力義務を課す。この規定を施行する12月までに、契約当事者が協議のテーブルに着くという制度趣旨に沿った形で国交省が運用上の留意点をガイドラインにまとめる方針だ。
現時点の想定では、恐れ情報の内容は受注者が把握する範囲で足りる。リスク予測の新たな調査は不要とし根拠は公表資料を用いる。将来のあらゆる可能性を網羅した膨大なリスク情報の提供は、負担協議の円滑化に寄与せず逆効果となる恐れがあるとして注意喚起する。注文者の誠実な対応の具体例を挙げつつ、リスク発生時の協議の申し出を門前払いしたり申し出たことを理由に受注者を不利益に扱ったりする行為を禁止とする。
契約上の新たな義務として資材などの価格変動に伴う請負代金などの「変更方法」を契約書の法定記載事項と明確化したことがポイントの一つだ。以前から請負代金などの変更について契約書に記載するよう求めていたが、「契約変更をしない」といった内容の契約も許容されると解釈できる余地があった。国土交通省の調査によると、実際に民間工事で契約変更条項を設けていないケースは依然として6割近くに達する。
変更方法の契約書への明記を義務化すれば「変更額を協議して定める」といった記載が必須となり、契約変更を認めない内容の契約が許容されなくなる。仮に受注者が恐れ情報の事前通知をしていなくても、契約上の変更方法に基づき協議を行うことが可能になる。
恐れ情報を取っ掛かりとする契約前後の新たなルールは法律上の要請と位置付ける。受注者による恐れ情報の事前通知を義務化し、それに基づく契約変更の協議の申し出に注文者が誠実に応じる努力義務を課す。この規定を施行する12月までに、契約当事者が協議のテーブルに着くという制度趣旨に沿った形で国交省が運用上の留意点をガイドラインにまとめる方針だ。
現時点の想定では、恐れ情報の内容は受注者が把握する範囲で足りる。リスク予測の新たな調査は不要とし根拠は公表資料を用いる。将来のあらゆる可能性を網羅した膨大なリスク情報の提供は、負担協議の円滑化に寄与せず逆効果となる恐れがあるとして注意喚起する。注文者の誠実な対応の具体例を挙げつつ、リスク発生時の協議の申し出を門前払いしたり申し出たことを理由に受注者を不利益に扱ったりする行為を禁止とする。
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