経営状況分析 Q&A

税務申告用財務諸表の負債の部に貸倒引当金とあり、その状態で財務諸表を作成してしまいました。 このままで問題ありませんか?
建設業用財務諸表の様式では、貸倒引当金は資産の部においてマイナス計上になっていますので、修正が必要になります。
コマーシャルペーパーとは何ですか?
事業会社が、短期資金調達のために発行する短期・無担保の約束手形のことで、証券取引法上の有価証券に該当します。
コマーシャルペーパーは、優良な事業会社が割引形式で発行しております。
「支払手数料」、「リース料」は営業外費用に含めることは出来ますか?
通常は営業用の科目ですので「販売費および一般管理費」に計上になりますが、営業以外の費用である場合には営業外費用に計上できます。
保険の満期又は保険金の差額収入分が雑収入に計上されていますが良いのでしょうか?
毎期経常的に発生するものではなく、臨時的に発生する利益ですので特別利益に振替をします。
保証債務額とはどういうものですか?
借金をした人の保証人になった場合の保証額(借金の金額)をいいます。
保証債務を負うと、借金をした人が払えなくなった時には、自分が代わって払わなければなりません。
保証債務とは何ですか?また不渡手形は保証債務に入りますか?
保証債務とは、債務者が債務を履行しない場合、その債務者に代わって債務の履行をする者(保証人)の負う債務の事をいいます。
また不渡手形は保証債務には入りません。
12ヶ月換算した財務諸表を作成する際に、千円未満の処理について端数処理をどのようにすればよいのでしょうか?
財務諸表の12ヶ月換算処理をしたときに出る端数は、「四捨五入」「切捨て」「切上げ」どのような処理でも問題ありません。

ただし、ひとつの財務諸表内で、ある科目は切り捨て、ある科目は四捨五入など、科目ごとに端数処理の方法を変えることはできません。端数処理は統一してください。
未落小切手とは何ですか?またこの科目が計上されていた場合の処理方法について教えてください。
未落小切手とは、小切手で払ってあるが、決算時にまだ引き落としにならなかったものをいいます。
2通りの処理があり、それぞれ以下のように処理します。

(1)小切手を支払先に渡してある場合
 当座預金と相殺します。
 このとき当座預金がマイナスになるようであればマイナス分を「短期借入金」に振り替えてください。

(2)小切手をまだ支払先に渡してない場合
 以下の通り振り替えてください。
  ・工事関係    → 「工事未払金」
  ・兼業事業関係  → 「買掛金」
  ・それ以外のもの → 「未払金」
個人損益計算書で、「貸倒金」という科目はどこへ入力すればよいでしょうか?
通常は「販売費および一般管理費」に入れてください。
ただし、金額が異常な場合は「営業外費用」に含めてください。
不渡手形は受取手形から控除して個別表示しなければならないのでしょうか?
不渡手形とは、取引先が不渡手形を出して銀行取引停止処分となった場合の金銭債権をいい、以下の2通りの処理方法があります

(1)決算期後1年以内に弁済が受けられるもの

 総資産の5/100を越える場合は流動資産の「不渡手形」に、総資産の5/100以下の場合は、流動資産の「その他」に計上して下さい。

(2)1年以内に弁済が受けられないもの

 投資その他の資産の「破産更生債権等」に計上してください。
無形固定資産について教えてください
無形固定資産とは有形固定資産とは違ってその実体は存在しませんが、企業活動の収益獲得の要因となりうる法律上の諸権利をいいます。

具体的には営業権、特許権、借地権、実用新案権、電話加入権、施設利用権、ソフトウェア、商標権、鉱業権などが主に挙げられます。
個人事業者で兼業事業の売上がありますが、工事売上と区別して表示しなければいけませんか?
「兼業事業における売上高が総売上高の10分の1を超えるときは、兼業事業の売上高及び売上原価を建設業と区別して表示すること」(個人損益計算書記載要領5)

上記記載要領に該当する場合には区別して表示してください。
個人事業者で一般管理費の内訳に「利子割引料」勘定が計上されている場合、どうしたらよいでしょうか?
「利子割引料」の内訳は借入金に対する支払利息などが計上されているので、営業外費用の「支払利息」に振り替えてください。
今期、税務申告用の決算書に未払法人税の計上がされていないのですが、計上する場合どのようにしたらよいでしょうか?また、来期の処理はどうなるのでしょうか?
ここでは一般的な処理方法を説明していますが、都道府県によっては、処理方法が異なる場合があります。
このQ&Aに関する内容の印刷・ダウンロードは、 こちらをクリックしてください

------------------------------------------------------------------------------
<<当期「未払法人税等」の数値が計上されていない場合>>
------------------------------------------------------------------------------
別表5(2)⑥欄の合計額を建設業用財務諸表に計上します。

        A        B          C
科目名※1 決算報告書  別表5(2)⑥合計額 ⇒ 建設業用財務諸表※3
 未     0 千円              未 A + B = 935 千円
 法    382 千円    935 千円     法 A + B = 1,318 千円
  当繰    4,770 千円              当繰 A - B = 3,834 千円 ☆

------------------------------------------------------------------------------
<<次期「未払法人税等」の数値が計上されていない場合>>
------------------------------------------------------------------------------
1.前期に未払法人税等として計上したものが費用として計上されていると思われますので、該当科目より差し引いていただきます。

 例) 前期計上分未払法人税等 → 935千円
 上記が「法人税、住民税及び事業税」1,654千円に含まれている場合
 1,654 - 935 =   718  →「法人税、住民税及び事業税」に計上される金額となります。
 ※「法人税、住民税及び事業税」ではなく「租税公課」などの科目に計上されている場合には、該当科目で同様の計算となります。  
2.株主資本等変動計算書の「繰越利益剰余金(前期末残高)」は、前期の株主資本等変動計算書の「繰越利益剰余金(当期末残高)」を計上してください。☆

        D      E       F           G
科目名※1 決算報告書  前期調整計算  別表5(2)⑥合計額 ⇒ 建設業用財務諸表※3
 未     0 千円                      未 D + F =   503 千円
 法   1,667 千円  D - B = 731 千円  503 千円    法 E + F = 1,235 千円
  前繰   4,770 千円                     前繰 D - B = 3,834 千円 ☆
  当繰   6,667 千円                     当繰 D - F = 6,164 千円

------------------------------------------------------------------------------
<<次期「未払法人税等」の数値が計上されている場合>>
------------------------------------------------------------------------------
        D        E          G
科目名※1 決算報告書   前期調整計算   ⇒  建設業用財務諸表※3
 未     0 千円               未 D   = 503 千円
 法    382 千円    D - B = 1,235 千円  法 E     = 1,235 千円
  前繰   4,770 千円              前繰 D - B = 3,834 千円 ☆
  当繰   6,667 千円              当繰 D  =  6,164 千円



※1 未 = 未払法人税等【貸借対照表】
  法 = 法人税、住民税及び事業税【損益計算書】
  前繰 = 繰越利益剰余金(前期末残高)【株主資本等変動計算書】
  当繰 = 繰越利益剰余金(当期末残高)【株主資本等変動計算書】
※2 「法人税、住民税及び事業税」にBが計上されていない場合には「租税公課」に計上されている場合があります。
   その場合には「租税公課」より差し引いてください。
※3 端数処理の関係で千円差額が生じる場合があります
建設業用財務諸表はどのように変わったのでしょうか?
財務諸表の詳しい変更内容について
※R04/4/1 一部改正は、こちらをクリックしてご覧ください。
※H25/4/1 一部改正は、こちらをクリックしてご覧ください。
支払保証料と前受金保証料の違いについて教えてください。
・支払保証料 は、通常、借入をする際に連帯保証人を立てる代わりに、金融機関が指定する保証会社と保証委託契約を結んだ際に保証会社へ支払うものをいいます。

・前受金保証料 は、公共工事等の受注にあたり、前受金を受領するために、保証会社等に対して支払うものをいいます。
支払利息に、手形売却損は含めないこととなったが、今後は手形売却損をどのように計上すれば良いのか?
今後は「支払利息」には計上せず、「その他」科目に計上してください。また、営業外費用の1/10を超える際は「手形売却損」と科目計上してください。
換算財務諸表について、換算後の財務諸表が必要なのですか?
換算後の財務諸表は不要です。換算報告書と換算前の財務諸表が必要となります。
免税業者かどうかを判断する基準を教えてください
基準決算期に消費税申告書を提出しているかどうか確認してください。

提出してある場合には課税事業者になり、税抜き処理した財務諸表を作成してください。

提出していない場合には免税事業者となり、税抜き処理せずに財務諸表を作成してください。